2005年05月12日

家族の介護を理由とする転勤拒否を認める判決

今日は、転勤拒否に関する判決のおはなしです。

共同通信によると、
大手食品メーカー、ネスレグループの日本法人「ネスレジャパンホールディング」(茨城県稲敷市)の兵庫県内の工場から同市へ転勤を命じられた男性従業員二人が、家族の介護ができなくなるなどとして、配転命令の無効確認などを求めた訴訟の判決で、神戸地裁姫路支部は5月9日、配転命令を無効とし、未払い賃金の支払いを命じた。


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話を戻します。


判決理由で松本哲泓裁判長は「家庭崩壊の危惧もあり、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせており、配転命令権の濫用に当たる」と指摘した。

訴えていたのは、兵庫県香寺町の姫路工場から稲敷市の霞ケ浦工場への転勤を命じられた二人。判決は、今回のケースで配転命令自体は業務上の必要性があると認めた上で個別の事情を検討。

55歳の従業員の場合、病気の妻の精神面に影響を及ぼし、病気の悪化も予想できると指摘。 49歳の男性の場合、母が脳梗塞の後遺症などで日常的に介護が必要で、転勤が病状に悪影響を及ぼす可能性があると判断した。

さらに転勤で介護などが困難になる労働者には配慮しなければならないとする育児・介護休業法の規定を示し「遠隔地への転勤が難しい者を姫路工場内のほかの部署へ移す余地もあった」として、配転命令が与える不利益は相当程度に大きいと結論づけた。

以上、記事

いままでの転勤命令に関する判決では、地域限定または職種限定の労働契約を結んでいる場合を除いて、労働者は使用者の転勤命令に従わなければならない。
ただし、
・業務上の必要性がない場合
・不当な動機や目的である場合
・労働者が通常受ける不利益を著しく超える場合
などの転勤命令は、権利の濫用とされてきました。

平成14年4月1日改正の育児・介護休業法では、事業主は、雇用する労働者の転勤命令を行うときは、子の養育や家族の介護の状況に配慮しなければならないと定めています。

今回の判決では、労働者が受ける不利益が通常の範囲を著しく超えるのか、家族の介護の状況に配慮しているのか、が争われたわけですが、記事のように判決が下されました。

今後は、労働者が育児または家族の介護のために、転勤命令を拒んだ場合は、その転勤命令を労働者に強引に押し付けるだけでなく、その労働者が受ける不利益を考慮して会社としてもできるだけの措置を講ずることが求められる方向にあるといえます。

「家族の介護を理由とする転勤拒否を認める判決(第二審)」


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Posted by 労働法ブログ at 20:21│Comments(0)TrackBack(0)


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