2005年05月13日

会社の安全配慮義務違反とは(石綿障害の例)

今日は、会社の安全配慮義務違反についてのおはなしです。

ます、共同通信の記事を見てみます。これは4月27日の記事です。

加熱炉工事などの現場監督を務めて長年アスベスト(石綿)の粉じんを吸い込み悪性中皮腫で死亡したとして、千葉県の男性(当時51)の遺族が勤務先の関西保温工業(大阪市)に計8,800万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は 27日、一審東京地裁判決と同様、同社にアスベスト対策をしなかった安全配慮義務違反があったことを認めた。その上で慰謝料などを一部減額、一審より約1,000万円少ない約4,700万円の支払いを命じた。
初めての方はこちらをクリック→ブログランキングへ



[PR]
社会保険労務士試験に合格したのはいいけど何からはじめればいいのか分からない!顧問先をもっと増やしたい!
そんな開業準備中や開業3年未満のあなたにお勧めする、社労士開業のためのバイブル「セミナービデオ・社会保険労務士・開業準備セミナー

派遣労働者のトラブル多発中!まずは、労働者派遣法を勉強すべきです。私は、「労働者派遣法のしくみと労務管理 」をお勧めします。
~[PR]


判決によると、男性は 1963〜 1984年に同社に勤務し、工事現場で断熱用の建築資材などに含まれるアスベストに接触。退職後の1995年から体調が悪化し、翌年、悪性中皮腫で死亡した。判決理由で根本真裁判長は、アスベストと病気の因果関係を認め「会社は現場監督には防じんマスクを支給しておらず、現場に水をまくなどの対策も講じていなかった」と述べた。

以上記事より。

労働安全衛生法などによると
・石綿繊維の発生源を密閉する設備又は局所排気装置を設置すること。それが著しく困難なときは、全体換気装置を設けるなど必要な措置を講ずること
・特定化学物質等作業主任者を選任すること
・空気中濃度を6か月以内に1回、定期的に測定すること
・休憩室は石綿作業場外に設けること
・洗身、更衣、選択の設備を設けること
・石綿作業場での喫煙や飲食を禁止すること
・石綿作業場に、人体に及ぼす作用や、取扱上の注意事項などを掲示しておくこと
・石綿などの吹き付け作業は、作業者に送気マスク又は空気呼吸器及び保護意を使用させ、かつ、作業場所と隔離された場所において石綿などを混合すること
・石綿作業に常時従事する労働者については、特殊健康診断を実施し、記録を30年間保存すること
・呼吸用保護具を備えておくこと
その他16項目に渡り石綿作業に関する最低基準が定められています。

石綿作業を労働者に行わせる場合は、会社は上記のような義務を負っているわけです。

労働安全衛生法などの法律で定められている上記のような措置義務に違反した場合は、原則として会社は罰則の適用があります。

それとは別に、労働法には具体的に記載されていない「安全配慮義務」という義務が判例によって認められています。「安全配慮義務」とは、会社が従業員の労働災害を防止する義務を負うこといいます。

判例では、会社は故意又は過失によって安全配慮義務に反して労働災害を発生させてしまった場合、従業員に対して民事損害賠償をするべきであると考えられています。


今回の例は、石綿作業に関するものでしたが、労働安全衛生法ではこの他に、
安全衛生管理体制に関する規定
・プレス機械、フォークリフト、クレーン、ボイラーなどの特殊機械に関する規定
・有機溶剤、鉛、その他の特定化学物質などの有害物に関する規定
・X線などの電離放射線、粉じん、高熱物、電気などに関する規定
・安全衛生教育などの従業員の就業に関する措置に関する規定
・作業環境測定や健康診断などの従業員の健康の保持増進のための措置に関する規定
などが定められています。

ひとりでも多くの方にこの「労働法ブログ」を読んでいただきたいので、ぜひ応援して下さい。あなたのワンクリックがこのブログを毎日更新させるための「力」となります。ここをクリック!→


Posted by 労働法ブログ at 18:37 │Comments(0)TrackBack(2)


▼コメントやトラックバックについて▼
この「労働法ブログ」についてのご意見などはコメントへ。また、個別のご質問やご相談はこちらへどうぞ(無料です)。トラックバックはご自由にどうぞ。ただし、記事の内容に全く関係のない場合は、スパムと判断し、削除する場合があります。ご了承下さい。


この記事へのトラックバックURL

http://app.blog.livedoor.jp/tetuyaf/tb.cgi/21856326
この記事へのトラックバック
JR西、経営理念転換へ 「安全重視」を強調 (共同通信) - goo ニュース どこの企業も職場も”安全第一”とお経の様に唱えています。それでも事故が次から次へと起きるのは、如何してでしょうか?それは口先だけだからです。その企業に一人でも二人でも、安全に関して自分
安全第一【人生無常・・・ケ・セラセラ】at 2005年05月13日 19:52
最近のニュースで大手メーカーであるクボタが、過去のアスベストの被害について亡くなった方に弔慰金を支払うということが報道されていた。 クボタいわく「企業の社会的責任」なるほどと思う。 で・・このニュースに僕が反応するのは、僕が国鉄に在籍中、アスベストはご...
アスベスト【国鉄の思い出】at 2005年06月30日 18:38
 


▼免責事項▼
この「労働法ブログ」で提供している情報の内容には管理人の意見が色濃く反映されています。また、記載日時点での法律に基づいて記載しておりますので、法律改正等に伴い制度が変更されている場合があります。したがって、その内容を保証するものではありません。万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切責任を負いません。