2005年05月20日

1年単位の変形労働時間制とは

この記事はメルマガ「御社に合った就業規則の作り方」第19号の記事に加筆・修正したものです。なお全てのバックナンバーは就業規則サポートセンターでご覧いただけます。

1年単位の労働時間制とは、1年以内の特定の期間を平均して、1週間あたりの平均労働時間が40時間(注)を超えなければ、特定の週については週40時間を超えて、また、特定の日については、1日8時間を超えて労働させることができる制度です。
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(注)1か月単位の変形労働時間制では、常時10人未満の労働者を使用する商業、映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)、保健衛生業、接客娯楽業については週44時間が法定労働時間となりましたが、1年単位の変形労働時間制についてはこの特例が適用されません。全ての業種で週40時間となります。

ここで1年単位の変形労働時間制で使用する言葉の説明をしておきますね。
対象期間 = 1年単位の変形労働時間制を適用する期間のこと。1か月を超え1年以内の期間であることが必要。
特定期間 = 対象期間中の特に業務が忙しい期間のこと。

1か月単位の変形労働時間制でも出てきますが、1年単位の変形労働時間制でも以下の式で限度の労働時間が求められます。
(特定期間の暦日数)/(7日)*(40時間)=○○○時間

1年間の場合、2085時間以下
6か月(183日)の場合、1045時間以下
3か月(92日)の場合、525時間以下
の労働時間を設定すればよいことになります。

ただ、労働日や労働時間は検討していく上で好き勝手に決められるわけではありません。それぞれ以下のような限度が決められています。

<労働日数の限度>
対象期間が3か月を超える場合は1年あたり280日が限度となります。

<1日及び1週間の労働時間の限度>
原則 1日10時間/1週間 52時間
隔日勤務のタクシー運転者 1日16時間/1週間 52時間 

<対象期間が3か月を超える場合の連続する週の限度>
1週間48時間を超える週は、連続3週以下になるようにすること。また対象期間の初日から3か月毎に区分した期間に1週間48時間を超える週は、連続3週以下になるようにすること。積雪地域の建設業の屋外作業者等や隔日業務のタクシー運転者はこの限度が適用されません。

<連続労働日数の限度>
原則 連続して6日が限度
ただし特定期間では1週間に1日の休日が確保できること。(最高12日連続労働が可能)

以上のめんどくさい要件を全てクリアーするように年間カレンダーを組みます。ただし、対象期間を2か月又は3か月、6か月など細かく分けて、その都度各日の労働時間等を決めるやり方もありますが、実務上はあまりおすすめできません。

1年単位の変形労働時間制の労働時間を考える場合の流れは以下のようになります。

(1)労働日数の限度を把握する
例えば、1年間2085時間で1日8時間労働の場合、年間260日出勤させることになります。1日7時間30分の場合、278日。1日7時間の場合、297日となりますが、上記の労働日数の限度が280日ですので、この場合の労働日は280日となります。

(2)特定期間を定める
繁忙期の状況を考えて、各日の労働時間を検討します。まず忙しい特定期間を決めます。例えば冬場が忙しい建設業関係だと、1月2月3月を特定期間とします。

(3)特定期間中の労働時間を検討する
同じ例で1月2月3月を特定期間にするとして、月曜日〜金曜日を9時間労働、土曜日を7時間労働、日曜日は休日とします。この場合は1週間52時間となり、これができるのは連続3週間までなので、4週間に一度は土曜日を休日とします。こうすれば限度内となります。

(4)特定期間以外の労働時間を検討する
同じ例で、他の月は割合暇なので7時間労働にします。

(5)カレンダーで各日の出勤日を検討する
あとは、労働日数の限度に注意して、カレンダーで出勤日を決めます。特に暇な4月〜7月は7時間労働で完全週休2日制にしてもよいでしょう。あとはカレンダーに出勤日の労働時間を書き入れます。最後に総労働時間の合計が2085時間以内で、総労働日が280日以下になっていれば完成です。


1年単位の変形労働時間制は、はじめて導入する場合は苦労しますが、2回目以降慣れてしまえば、そうでもありません。年間カレンダーを1回作ってしまえば、来年度はそれを多少変更していくだけだからです。

合法的に週52時間まで労働させることができて、それでも残業代を払わなくていいのですから、デパートや建設業など1年間の繁閑の差が激しい業種では導入をぜひ検討してみて下さい。

<参考記事>
1年単位の変形労働時間制の導入方法

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Posted by 労働法ブログ at 18:23 │Comments(0)TrackBack(0)


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