2005年05月22日

損害賠償額を予定する契約は違反か

労働基準法第16条で「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」としています。これは従業員本人に対してだけでなく、親権者や身元保証人に対しても同じく禁止しています。
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例えば、
・技術研究者に対して、「入社後1年以内に自己都合退職する場合は、技術研修費として20万円支払うこと」などの契約
・海外研修に1年間行かせる場合に、「帰国後3年間は、研修の技術を活かせる技術部で就業すること。これに違約した場合は海外研修費にかかった費用を弁償すること。」などの契約
は、上記の賠償予定の禁止にあたり、違法となります。

では、実際に生じた損害についても賠償の責任が問われないのでしょうか?

賠償予定と実際に生じた損害とは別ですので、実際に生じた損害については賠償の責任が発生します。

例えば、
・従業員の不注意で製造機械を破損してしまったとき
・居眠り運転で会社の車で交通事故を起こしてしまったとき
・会社が取り扱う会社情報や個人情報を従業員が名簿業者に横流ししたとき

このようなときは、もちろん従業員側にもその損害を賠償する責任が生じます。この従業員が賠償する金額については、従業員の責任度合いにより判例でバラバラです。しかし、全額従業員に支払を命ずることはほとんどなく、半分〜4分の1程度としているものが多いようです。

とくに中小企業の場合、従業員に対して損害金の全額を請求することが多いと思いますが、これは妥当とは言えません。

従業員が損害賠償する金額を考慮する場合は、
・労働者に過失があったか
・会社には過失はなかったか(教育・指導など)
・損害額の評価は適切か
・相当因果関係があるか
について総合的に判断して決めるべきです。
(参考 事例で読む労働法 実務事典 P137)

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Posted by 労働法ブログ at 19:54 │Comments(0)TrackBack(0)


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