2005年06月17日

会社の対応が不当労働行為とされた例(中央自動車教習所事件)

以下の例は、会社の対応が不当労働行為であると中央労働委員会に認定された例です。

中央自動車教習所不当労働行為再審査事件(中労委平成14年(不再)第65号)命令書交付について」より

中央自動車教習所(金沢市)が団体交渉に誠意をもって応じることなく、組合と妥結せずに一方的に賃金を改定したなどとし、労組(全国一般石川地本)が不当労働行為の救済を求めた事件で、中央労働委員会は6月3日、会社側から出されていた再審査の申し立てを棄却しました。初審命令どおり会社の一連の対応を不当労働行為と認めました。
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以下は、申し立て棄却の判断の要旨です。

(1)平成13年春季賃金改定要求に関する労使交渉について

会社は、形式的には15回の団体交渉に応じているものの、組合の要求にもかかわらず、関係資料の提示に一切応じていない。また、会社が提案した冬時間制に対する組合の対案についても会社は検討する姿勢もみられない。このような会社の態度は、冬時間制及び査定給の導入が有額回答の前提であるとしてこれに固執していたものである。

また、有額回答以降の会社の対応についてみると、会社は、回答額が金沢地区の他の自動車学校より低い理由及び4月に遡って賃金改定を実施できない理由について、誠意をもって組合に説明したと言うことはできない。また、特段の事情もなく、組合と妥結もしていないのに一方的に賃金改定を実施したことは、団体交渉を形骸化させるものであって、誠意のある交渉態度とは言えない。

以上を総合して判断すると、春季賃金改定要求に関する団体交渉における会社の態度と、一方的に賃金改定を行い、10月実施としてこれを強行した一連の対応は、誠意をもって交渉したと言うことはできず、労組法第7条第2号に該当する不当労働行為である。

(2)労働協約の解約と新就業規則等の実施について

昭和60年の労使合意により実施されてきた就業時間を変更し、新就業規則等を実施した行為は、会社が、組合との団体交渉を経ることなく一方的に労働条件の変更を行ったものであるとともに、就業規則案の提示に抗議し団体交渉申入れを行っている組合の存在を嫌悪し、その弱体化を企図したものであると判断される。

また、労働協約の全部を解約し、その上で新就業規則等を実施した行為は、上記判断と同様、会社が、組合との団体交渉を経ることなく一方的に行ったものであるとともに、新就業規則等の実施に反対する組合の存在を嫌悪し、かつ、組合のストライキを嫌悪しその報復措置として行ったものであって、組合の弱体化を企図したものであると判断される。

したがって、これらは労組法第7条第2号及び第3号に該当する不当労働行為である。

(3)就業時間不就労を理由とする賃金カットについて

新就業規則等の一方的な実施が不当労働行為であることは上記(2)において判断したところであり、就業時間不就労を理由とする賃金カットは、新就業規則等の実施に反対する組合に対する報復措置であって、その弱体化を企図したものであると判断されるから、労組法第7条第3号に該当する不当労働行為である。

(4)時間外労働手当の割増率の引下げについて

新就業規則等の一方的な実施が不当労働行為であることは上記(2)において判断したところであり、時間外労働手当の割増率を2割5分としたことは、新就業規則等の実施に反対する組合に対する報復措置であり、その弱体化を企図したものであると判断されるから、労組法第7条第3号に該当する不当労働行為である。

(5)ストライキに対する賃金カットの対象範囲の拡大について

会社がストライキに対する賃金カットの対象範囲を拡大したことは、組合のストライキに対する報復措置として、ストライキに参加した組合員を不利益に取り扱う意図をもってストライキに対する賃金カットの対象範囲を一方的に拡大したものと判断されるから、労組法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為である。

(6)会社施設の使用禁止措置等について

会社施設の使用禁止措置等は、組合のストライキを奇貨として、ことさら組合活動に制約を加えることを企図してなされたものとみるべきである。

また、朝礼における社長及び校長の発言は、組合の対応が賃金改定実施の遅延を招いたとしてこれを嫌悪し、全指導員を前にして公然と組合を批判することによって組合を誹謗し、組合軽視の姿勢をあらわにしたものであり、組合の弱体化を企図してなされたものとみるべきである。

したがって、これらは労組法第7条第3号に該当する不当労働行為である。

以上が判断の要旨。

< 参考 労働法ブログ 6月17日記事「不当労働行為とは」 >

< 参考 労働法ブログ 6月17日記事「会社の対応が不当労働行為ではないとされた例(エッソ石油(団交)不当労働行為再審査事件)」 >

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Posted by 労働法ブログ at 15:08 │Comments(0)TrackBack(0)


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