2005年06月17日

会社の対応が不当労働行為ではないとされた例(エッソ石油(団交)不当労働行為再審査事件)

以下の例は、会社の対応が不当労働行為ではないと中央労働委員会に認定された例です。

エッソ石油(団交)不当労働行為再審査事件(昭和63年(不再)第44号)命令書交付について」より

油槽所縮小に関する団体交渉を会社側に拒否されたとして、労組(スタンダード・ヴァキューム石油自主労組支部)が救済を求めた「エッソ石油(団交)」事件で、中央労働委員会は6月3日、労組側の再審査申し立てを棄却しました。会社は組合本部との団交に誠意を持って応じ、協議を尽くしており、団交が実質的に行われていたとみることができるとの判断を示したものです。
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以下は、申し立て棄却の判断の要旨です。

(1)個人M及びTの被申立人適格について

上記両名は、団体交渉において一定の役割を果たしていたことが認められるが、それは職務の執行として行われていたものにすぎないから、本件団体交渉について労組法第7条の規定にいう使用者の地位にあった者は会社であり、M及びTを被申立人とする救済申立ては認められない。

(2)本件救済申立てについて

1. 会社は、野田油槽所開設当初からシーバースを他社と共有していたが、石油危機以降同油槽所の重油取扱量が減少し、同設備を使用しなくなったという同設備の稼働状況に鑑みると、シーバースの売却決定は経営上の判断と考えられる。

2. このような状況の中で、支部は、同油槽所が閉鎖されるのではないかとの危機感を強め、将来分会員の労働条件にどのように影響するか重大な関心を持ち、(1)タンクの賃貸借契約終了の際には、同油槽所の縮小・閉鎖と併せて、タンクの賃貸借契約終了に伴う労働条件の変更の件を議題として団体交渉を申入れ、(2)シーバースの売却の際には、この件とともに同油槽所縮小・閉鎖の件を議題として団体交渉を申入れ、また、(3)分会員の配置転換の際には、異動を伴う要員補充とともに同油槽所縮小・閉鎖の件を議題として団体交渉を申し入れた。これに対し会社は、それぞれの団体交渉に応じ、上記(1)ないし(3)の議題について、その時点における可能な限りの説明を行っていた。

3. 一方、昭和59年9月12日付け申入れに係る本件団体交渉申入れについては、同油槽所長は、同年6月5日に団体交渉を行っているとして、団体交渉の申入れに応じようとしなかった。そこで、同月5日の団体交渉における会社の対応をみると、同油槽所の縮小・閉鎖に関して、将来計画等の話し合いが行われ、シーバースの売却に関しても、ある程度の説明が行われていた。

4. また、本件救済申立て後、会社は、同油槽所の閉鎖を決定し、その通知を本部に行い、その後同問題につき、会社と本部支部間で支部役員も交渉委員として出席しながら9回にわたり団体交渉が行われ、それらの団体交渉では、会社から閉鎖回避のための検討内容等について具体的な数字を挙げた説明や、閉鎖決定に至った経緯の説明が行われたほか、シーバースの売却問題についても話し合われた。

しかも、支部の問題でもあった同油槽所閉鎖に伴う分会員2名の転勤等については、暫定的にしろ本部も了解し、一応の決着をみていたことからすれば、会社は誠意をもって本部との団体交渉に応じ、協議を尽くしたと考えられる。

5. 以上のことから、本件団体交渉の申入れが支部により行われたものであることを考慮しても、従前の団体交渉の一連の経過を総合すると、本件団体交渉申入れについては、実質的に団体交渉が行われていたとみることができるから、会社が直接本件団体交渉申入れに対応しなかったとしても、労組法第7条第2号に該当する不当労働行為に当たるということはできない。

6. なお、組合は、本件団体交渉拒否は、同油槽所閉鎖を前提としてシーバースを売却することにより支部を、これを構成する野田分会ごと無きものとしようとして行われた支部潰しの一環であり、このことはホテル阪神会議で謀議を行っていたことからも明らかと主張するが、書証や証言を子細に検討しても、ホテル阪神会議における会議内容が支部潰しを企図していたものとは認め難く、他に的確な証拠もないので、組合の主張は認められない。


以上が判断の要旨。

< 参考 労働法ブログ 6月17日記事「不当労働行為とは」 >

< 参考 労働法ブログ 6月17日記事「会社の対応が不当労働行為とされた例(中央自動車教習所事件)」 >

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Posted by 労働法ブログ at 15:26 │Comments(0)TrackBack(0)


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