2005年08月31日

安全配慮義務違反が認められた判例/自衛隊八戸車両整備工場損害賠償事件

そもそも安全配慮義務とはどのような義務なのでしょうか?

安全配慮義務違反を認めた初めての最高裁判例「自衛隊八戸車両整備工場損害賠償事件(S50. 2.25 最高三小 昭和48(オ)383)」を見てみます。


この事件の概要は、自衛隊員であった被災者が、昭和40年7月13日に車両整備工場で車両整備中に従事中、後進してきた大型自動車の後輪で頭部を轢かれて、死亡しました。そして、この被災者の父母が国を相手取って訴えを提起しました。
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判決では、「国と国家公務員(以下「公務員」という。)との間における主要な義務として、法は、公務員が職務に専念すべき義務並びに法令及び上司の命令に従うべき義務を負い、国がこれに対応して公務員に対し給与支払義務を負うことを定めているが、国の義務は右の給付義務にとどまらず、国は、公務員に対し、国が公務遂行のために設置すべき場所、施設もしくは器具等の設置管理又は公務員が国もしくは上司の指示のもとに遂行する公務の管理にあたつて、公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務(以下「安全配慮義務」という。)を負つているものと解すべきである。」として、国家公務員に対して国には安全配慮義務があること認めました。

ここでは「安全配慮義務」=「公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務」としています。

「もとより、右の安全配慮義務の具体的内容は、公務員の職種、地位及び安全配慮義務が問題となる当該具体的状況等によつて異なるべきもので」あるが、「国が、不法行為規範のもとにおいて私人に対しその生命、健康等を保護すべき義務を負っているほかは、いかなる場合においても公務員に対し安全配慮義務を」負わなくてよいとは考えられないとしています。

ただし、「右のような安全配慮義務は、ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入つた当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方又は双方が相手方に対して信義則上負う義務として一般的に認められるべきもので」あるとして、一般企業でも同様の安全配慮義務が必要であるとの見解を示しています。

また、「国と公務員との間においても別異に解すべき論拠はなく、公務員が前記の義務を安んじて誠実に履行するためには、国が、公務員に対し安全配慮義務を負い、これを尽くすことが必要不可欠であり、また、国家公務員法及びこれに基づく国家公務員災害補償法並びに防衛庁職員給与法の災害補償制度も国が公務員に対し安全配慮義務を負うことを当然の前提とし、この義務が尽くされたとしてもなお発生すべき公務災害に対処するために設けられたものと解されるからである」としています。

このことより、この判決で述べられている国家公務員だけではなく、一般企業の従業員に対して、使用者(会社)は安全配慮義務を負わなければならないことを示唆しています。

<参考記事>
会社の安全配慮義務違反とは(石綿障害の例)

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Posted by 労働法ブログ at 00:23 │Comments(0)TrackBack(0)


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