2006年09月27日

長時間労働と会社の責任

現在は、労働者が長時間過重労働から脳・心臓疾患に至って死亡するケースやうつ病などの精神疾患に至って休みがちになったり、長期の休職をしたりするケースも増えてきています。

「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置等」(平14.2.12基発第0212001号)によると、

・月100時間を超える時間外労働を行わせた場合

・2か月間ないし6か月間の1か月平均の時間外労働を80時間を超えて行わせた場合

については、業務と脳・心臓疾患の発症の関連性が強いと判断されるとしています。
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ここで、ある裁判例の記事をみてみます。

共同通信によると、

大分市の男性=当時(26)=が死亡したのは高温の工場で長時間働いたことによる過労が原因として、遺族が同市の金属加工販売会社に慰謝料などを求めた訴訟の判決が 15日、大分地裁であり、関美都子裁判官は過労死と認め、約 8,400万円を支払うよう会社に命じた。

判決は「冷房がない工場で、夏場に長袖の作業服やマスクなどを着用させ、中腰の状態で肉体労働を長時間続けさせた結果、死亡した。

直前の 13日間は休日もなかった」と会社側の責任を指摘した。

判決によると、男性は 2002 年5月から板金作業に従事。

同年8月、勤務中に倒れ、心疾患で死亡した。

死亡前1カ月の総労働時間は約 322 時間で、休日は3日だった。

会社側は「同じように働いていたほかの従業員は健康に問題がなく、男性が働き過ぎで死亡したとは言えない」と反論していた。


以上記事。


記事にある「死亡前1カ月の総労働時間は約 322 時間」を考えてみますと、亡くなったのは8月ですので、前31日の法定労働時間は、

31日/7日×40時間/1週=約178時間(週40時間で計算)

となり、したがって、時間外労働時間は、

322時間-178時間=144時間

また、1か月が31日ある月では、1日8時間労働した場合、休日は8日とれるはずですが、実際の休日は3日ですので、5日の休日に1日8時間労働したものと考えますと、

8時間×5日=40時間

となり、通常の出勤日に残業(時間外労働)したと考えられる時間は、

144時間-40時間=104時間

となります。

結局、まとめますと、亡くなった日前の1か月間は、(日曜日を休日と仮定します)

・通常の出勤日は1日4時間ぐらい残業していた。

・すべての土曜日も8時間出勤した。

・日曜日は3日だけ休んだ。

となります。

これって実際の中小企業の繁忙期では、現実あり得る条件だと思います。

このような条件でも、いざ「過労死」と認定されれば、会社にとって大きなリスク(1億円程度の損害賠償金)が発生してしまうということになります。

平成18年4月からは、長時間労働者への医師による面接指導制度も義務化されました。

経営者としては、他人事とは考えず、このような「過労死」や「精神疾患」に至る前の予防策の実施が必要と考えます。

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Posted by 労働法ブログ at 09:59 │Comments(2)TrackBack(0)


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この記事へのコメント
福永先生、ご無沙汰しております。

中小企業は慢性的な人手不足で、
とかく、残業が多くなりがちで、
ひどいところは、残業代も
ろくに支給していないところも
多いようですね……。

こういったところは特に
過労死のリスクの現実化は
人ごとではないと思わないと
いけませんね……。

Posted by YK@見習い at 2006年10月01日 12:50
はじめまして私は新潟県で働いている女のこです。労働基準法は何のためにいるのですか?私の会社はそんなものは完全に無視されています。出勤簿なんていいようにごまかしあげくの果てには、労務局の人が来て労働時間やなんか質問されても社員のいる前で嘘ばかり報告している社長はどうすればいいのですか?病気になっても休ませない用は私たち社員が過労死しても関係ないと言う事を社員に話します。こんなんで規則なんて無いのと同じではないかとおもいます。お金も形上は振り込まれるけれど、その1/3は取られてしまう形です。家族がいる私たちはどうやって生活しろと言うのでしょう、最悪家族がいるいないは会社には関係ないといわれる始末です。まじめに働く人はバカを見るだけではないでしょうか。助けて欲しいです。
Posted by 花子 at 2006年11月22日 02:04
 


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