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2008年06月22日
書面で明示した解雇事由以外の事由での解雇は無効か
労働基準法第15条では、「労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」としています。この「その他の労働条件」には、平成15年の改正後は解雇の事由も含むとされています。
また、労働基準法第89条には、「常時10人以上の労働者を使用する使用者は次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届出なければならない。」としています。「次に掲げる事項」には、同じく平成15年の改正後は解雇の事由も含むとされています。
では、これらの書面で明示した以外の理由で解雇することはできないのでしょうか?
また、労働基準法第89条には、「常時10人以上の労働者を使用する使用者は次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届出なければならない。」としています。「次に掲げる事項」には、同じく平成15年の改正後は解雇の事由も含むとされています。
では、これらの書面で明示した以外の理由で解雇することはできないのでしょうか?
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(1)限定列挙説と例示列挙説
実は、法律上、これらの書面で明示した以外の理由で解雇することができるか、できないのかは規定されていません。
しかし、学説上は、これらの書面で明示した以外の理由では解雇することができないとする限定列挙説とこれらの書面で明示した以外の理由でも解雇することができるとする例示列挙説があります。
民法上解雇は事由とされていますが、労働者保護のため労働契約法第16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」とされています。(以前は労働基準法第18条の2に規定されていましたが、労働契約法制定時に移管されました。)また、労働基準法の改正で、解雇の事由は労働契約時の明示事項とされ、また、就業規則の絶対的必要記載事項(必ず記載しなければならない事項)とされましたので使用者自らが定めた解雇の事由に該当しない解雇は無効であるというのが限定列挙説です。
限定列挙説の本:労働法(第8版)/菅野和夫
例示列挙説は、労働契約の際に書面で明示した解雇の事由や就業規則に定めた解雇の事由は、例示的な(ある例をあげただけ的な)事由であって、記載漏れがあっても、もちろん規定されていない事由であっても解雇することができるというものです。
例示列挙説の本:労働基準法〈上巻〉/萩沢清彦
、人事・労務管理シリーズ (4) (人事・労務管理シリーズ 4 解雇・懲戒編)/全国労働基準関係団体連合会
また、最近の判例では、一般に例示列挙説をとっているものがあります。(平成12年1月21日東京地裁決定、ナショナル・ウエストミンスター銀行事件ほか)
なお、政府の見解は、「平成15年4月18日付内閣総理大臣より衆議院議長宛の質問主意書に対する答弁書」において「労働基準法第89条第3号は、就業規則に記載された『解雇の事由』以外の事由によって使用者がその使用する労働者を解雇することを制限するという法律効果を有する条文ではないと解している。」(内閣衆質156第51号)と、例示列挙説をとっています。
(2)私見
私見としても、例示列挙説を支持します。
<理由>
労働者が10人未満の会社(就業規則の作成義務がない会社)や就業規則を作成していない会社に平成15年の労働基準法改正以前に入社した方は、ほとんどどのような時に解雇されるのか(解雇の事由)を書面で明示されていないでしょう。
このような場合、限定列挙説では、解雇の事由を明示していなければ解雇できないということにもなりかねません。
現実的には、解雇の事由を書面で明示されていても、いなくても、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められれば解雇できると考えられます。
(解雇の事由を書面で明示していても、いなくても、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とされます。)
したがって、結論は、書面で明示した以外の理由でも解雇することはできると考えられます。
<参考書籍>
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(1)限定列挙説と例示列挙説
実は、法律上、これらの書面で明示した以外の理由で解雇することができるか、できないのかは規定されていません。
しかし、学説上は、これらの書面で明示した以外の理由では解雇することができないとする限定列挙説とこれらの書面で明示した以外の理由でも解雇することができるとする例示列挙説があります。
民法上解雇は事由とされていますが、労働者保護のため労働契約法第16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」とされています。(以前は労働基準法第18条の2に規定されていましたが、労働契約法制定時に移管されました。)また、労働基準法の改正で、解雇の事由は労働契約時の明示事項とされ、また、就業規則の絶対的必要記載事項(必ず記載しなければならない事項)とされましたので使用者自らが定めた解雇の事由に該当しない解雇は無効であるというのが限定列挙説です。
限定列挙説の本:労働法(第8版)/菅野和夫
例示列挙説は、労働契約の際に書面で明示した解雇の事由や就業規則に定めた解雇の事由は、例示的な(ある例をあげただけ的な)事由であって、記載漏れがあっても、もちろん規定されていない事由であっても解雇することができるというものです。
例示列挙説の本:労働基準法〈上巻〉/萩沢清彦
また、最近の判例では、一般に例示列挙説をとっているものがあります。(平成12年1月21日東京地裁決定、ナショナル・ウエストミンスター銀行事件ほか)
なお、政府の見解は、「平成15年4月18日付内閣総理大臣より衆議院議長宛の質問主意書に対する答弁書」において「労働基準法第89条第3号は、就業規則に記載された『解雇の事由』以外の事由によって使用者がその使用する労働者を解雇することを制限するという法律効果を有する条文ではないと解している。」(内閣衆質156第51号)と、例示列挙説をとっています。
(2)私見
私見としても、例示列挙説を支持します。
<理由>
労働者が10人未満の会社(就業規則の作成義務がない会社)や就業規則を作成していない会社に平成15年の労働基準法改正以前に入社した方は、ほとんどどのような時に解雇されるのか(解雇の事由)を書面で明示されていないでしょう。
このような場合、限定列挙説では、解雇の事由を明示していなければ解雇できないということにもなりかねません。
現実的には、解雇の事由を書面で明示されていても、いなくても、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められれば解雇できると考えられます。
(解雇の事由を書面で明示していても、いなくても、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とされます。)
したがって、結論は、書面で明示した以外の理由でも解雇することはできると考えられます。
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Posted by 労働法ブログ at 13:30
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